はじめに
学校現場での教員のメンタルの疲れについて
先生の皆さんは仕事をしている上で、またはプライベートで疲れていませんか?先生の仕事は同僚や子供との関係はもちろん保護者や地域の方など接する人が多く気を使うことが多いのかと思います。特に身体的な疲れよりも脳の疲れを感じる方も多いのではないでしょうか。脳は体重の2%ほどの大きさですが、身体の消費する全エネルギーの20%を使います。つまり、脳は疲れやすいということですね。この脳の消費エネルギーの大半はDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)という脳回路に使われ、これは脳が意識的な活動をしていないときに働くものです。イメージとしては車のアイドリングとなります。1日休んだのに疲れが取れないということがあり方はDMNの過剰な活動となっているかもしれません。ちなみにうつ病の方たちの「あの時ああしておけばよかった」というネガティブな思考の反復も脳の疲労(DMNの使い過ぎ)に直結していると言われています。
つまりDMNの活動を抑える脳構造を作ることで脳の疲れを取ることができるということです。そのための方法の1つとしてマインドフルネス呼吸法を取り入れることが有効かと思います。
マインドフルネスを先生が学校で行う重要性とは
マインドフルネスはGoogleやMetaなどのアメリカの巨大テック企業が取り入れられています。スティーブ・ジョブスが瞑想を行っていたことは有名ですね。いろいろなストレスにさらされている社会人の方にとってマインドフルネス瞑想が大切なのはもちろんですが、その中に学校の先生が入っていることは言うまでもありませんね。特に学校の先生にとってマインドフルネス瞑想が有効になると思われることは
- 1 学校は時間で動きやすいため、仕事の前や仕事の後などの時間を設定しやすい
- 2 子供と取り組むことで子供も落ち着くことができるようになり、クラスが落ち着くかも
- 3 学校での取り組みを家庭にも紹介することで、その地域の方も落ち着いて過ごすことができるようになるかも
今回はマインドフルネス 瞑想の中でも「マインドフルネス呼吸法」について取り上げてみたいと思います。
マインドフルネス呼吸法とは?
マインドフルネス呼吸法の効果
ここではマインドフルネス呼吸法のやり方についてまとめていきたいと思います。まず、マインドフルネス呼吸法を実践していくことで、以下の効果が期待できます。
ストレス低減、雑念の抑制、集中力の向上、感情のコントロールなどなど
学校の先生の仕事に置き換えると・・・
ストレス低減・・・学級運営の悩みについて落ち着いて考えることができるようになる。
雑念の抑制・・・指導がうまくいかない悩みがあった場合過度に悩みすぎずに済むようになる。
集中力の向上・・・授業準備や事務処理にかける時間を少なくできる。
感情のコントロール・・・子供に対してその場の感情で怒らないようになる。(その後の保護者からのクレームも減る)
などですね。
基本姿勢
ここからは具体的なマインドフルネス呼吸法のやり方について説明します。まず、姿勢はイスに座るかあぐらなどで座るか座りやすい体勢が良いでしょう。お腹はゆったり、手は太ももの上、イスの場合は足は組まない。目は軽く閉じるか、薄目を開ける場合は一点を見るようにすると良いでしょう。全体的にリラックスした姿勢で望めると良いです。
身体の感覚、呼吸に意識を向ける
接触の感覚を感じる、例えば足の裏と床、おしりとイス、手と太ももなどを感じるまた、身体が地球に引っ張られる重力の感覚を感じることが必要です。また、呼吸については深呼吸などでコントロールすることは不要です。自然に呼吸をしましょう。その際、呼吸に「1」「2」・・・など数えることで自然にゆっくりした呼吸になり、呼吸を意識することができます。(ラベリングと言います。)
途中で雑念が浮かんだら?
マインドフルネス呼吸法をしていると途中で雑念が浮かんでくることがあります。マインドフルネス呼吸法は「無」になることを目的としているわけではなく、「意識」することがポイントです。雑念が浮かんだら、事実に気付き注意を呼吸に戻すことが大切です。雑念を浮かぶことは当然なこと、自分を責めないことが大切です。
教室での実践方法
子供と一緒に行う方法
「学校で」「先生が」マインドフルネス呼吸法をする場合、子供と一緒に行うことで様々なメリットが考えられます。ひとりで行うよりも子供たちも巻き込んでみてはどうでしょうか。子供たちと一緒にやるメリットは以下のものが考えられます。
1 継続するモチベーションになる
何事もひとりで取り組むと継続的に行うことは難しいものです。ここに複数人で行うことでやめにくくなるというメリットがあります。しかも言い出した先生から辞めるとはなかなかいえないものです。その心理を利用し子供と一緒にやってみてはどうでしょうか。
2 クラスが落ち着き、授業改善につながる
クラス全体でマインドフルネス呼吸法を行うと少しずつ、でも確実にクラスが落ち着いてきます。マインドフルネス呼吸法を発展させていくと落ち着くだけでなくお互いに感謝の気持ちを持つことができるなど副次的な効果も期待できます。クラスが落ち着くと先生自身のメンタルの安定にもつながることと思いますので自分だけでなくクラスを巻き込むメリットはあると思います。
クラス全体で取り組む方法
ではクラス全体で具体的にどう取り組んでいけばいいでしょうか。
いつ? 朝がおすすめです。朝のSHRなどで1分から始めてみるのがいいでしょう。なかなか忙しいので10分とはいかないと思いますが、最終的には3〜5分できるといいと思います。また、部活単位で取り組む際もはじめの5分程度マインドフルネス 呼吸法を行ってみるのもいいでしょう。
どこで? クラスなら教室でしょう。イスもあるしすぐに取り組む環境もあります。先生は通勤したら個別にマインドフルネス呼吸法に取り組むと子供たちをみることができます。
どのくらい? できれば毎日、決まった時間行えるといいでしょう。
まとめ
マインドフルネス呼吸法は、教員と生徒の両方にとって有益な方法です。簡単に始められ、効果も割とすぐに実感できることがあるでしょう。そのため、学級経営に困っている先生、職場に少し疲れている先生などのストレス軽減に大いに役立ちます。まずは、毎日の授業や1日の初めの時間に取り入れてみてはいかがでしょうか?継続することで、疲れている心が少し軽くなり、先生にとって心身ともに健康な教育環境を作り出すことができるかもしれません。まずは1分からはじめてみてはどうでしょうか。